ミレーの代表作のひとつである『種まく人』には、
画面のサイズから構図までほとんど同じと言ってよい
2つのバージョンがあることは、よく知られています。
2枚の『種まく人』のうち1枚はボストン美術館にあり、
もう1枚は山梨県立美術館に所蔵されています。
2つの絵は細部までほとんど同じと言ってよいくらい似ています。
しいて言えば、ボストンの絵の方が人物の輪郭線がはっきりしているのに対し、
山梨の絵は絵具が厚塗りで、筆使いが荒々しく、
背景の黄色が目立つのが特色ですが、優劣は決めがたい。
1850年のサロンに出品されたのが
果たしてどちらの『種まく人』であったのかについても、いまだに定説を見ていません。
ボストンの絵は、日本美術の収集家としても知られる
クインシー・A・ショーの旧蔵で、
1917年にボストン美術館に入っています。 |

ボストン美術館 |
一方、山梨の絵は、ミレーの伝記作家でもあった内務省の役人アルフレッド・サンシエから、
アメリカの鉄道王W.H.ヴァンダービルトに移り、
フィラデルフィアのプロビデント・ナショナル銀行の所蔵を経て、
1977年、日本へもたらされたものです。
両館で「種まく人」をご覧になって、その違いをあなたの目で確かめてみてはいかが?
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