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デルフト眺望


フェルメール
(Vermeer



デルフトの眺望
ヨハネス・フェルメール
(Johannes Vermeer)
1632年10月31日-1675年12月15日

オランダ






フェルメール
(Vermeer
「デルフトの眺望」
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フェルメールが生まれ育ったデルフトの地の風景画。


美しい水面、画面の三分の二をしめる青空。
何ともいえない美しさ、輝き。
自分が溶け込んで、中に吸い込まれるような不思議な感覚・・・。


日常生活に疲れたら、この絵をご覧ください。
ご自宅にいながらにして、この絵が非日常的な空間へといざなってくれるでしょう。




数少ないフェルメール作品の中でも、一際貴重な風景画作品のひとつ『デルフトの眺望』。
フェルメール絵画の中の最高傑作として、この絵を挙げられる方も多いことでしょう。



影がかかるスヒーダム門(時計塔)。
本作は、画家が生まれ生涯を過ごしたオランダ デルフトの朝七時頃
(作品内の時計塔は同時刻を指している)の街並みを描いた風景画で、
今なお風景画の最高傑作のひとつとして評価されています。



運河から出航する漁船。
画面中央の石橋の左右に配されるスヒーダム門、
ロッテルダム門は本来この視点からだと平行に見えるはずですが、
構図的により調和性を求めたフェルメールは、
右側のロッテルダム門を外側を向くように再構成しています。



17世紀当時デルフトの象徴であり
同地の英雄オラニエ公ウィリアムが埋葬された新教会。

街の前景に影を、後景に光を当てる光彩描写や、
理想的な美しさを求め現実の街の姿を変革し描いた表現は、
同時代に制作された風景画の中でも
特筆に値する出来栄えを示しています。



また、フェルメールは、ウルトラマリンブルーを「デルフトの眺望」の空だけではなく、
白く見える水面にも、薄く塗っています。
一筆5万円といわれるほどの高級絵具を使って、
オランダの光を表現しています。







本作は描かれた16世紀当時から評価が高く、
1696年におこなわれた画家作品の競売では最高価格200ギルダーで、
1822年にマウリッツ・ハイス美術館が購入した際には
2900ギルダーの値がつけられたことが資料に残されています。


なおマウリッツハイス美術館で「デルフトの眺望」を観覧した
20世紀フランス文学を代表する作家マルセル・プルーストは、
後に「あの絵画を見て、私は世界で最も美しい絵画を見たのだと悟った」と語り、
自身の傑作『失われた時を求めて』に重要なモチーフとして登場させています。













〜くろいぬのティータイム
贋作事件

1866年にフランス人トレ・ビュルガーが著した論文が、
フェルメールに関する初の本格的なモノグラフです。


当時フェルメールに関する文献資料は少なく、
トレ・ビュルガーは自らをフェルメールの「発見者」として位置付けました。


しかし、実際にはフェルメールの評価は生前から高く、
決して「忘れられた画家」だったわけではありませんでした。
トレは研究者であっただけでなくコレクターで画商であったため、
フェルメール「再発見」のシナリオによって
利益を得ようとしたのではないかという研究者もいます。


そのトレ・ビュルガーがフェルメールの作品として
認定した絵画は70点以上にのぼります。


が、これらの作品の多くは、その後の研究によって
別人の作であることが明らかになり、次々と作品リストから取り除かれていきました。


20世紀に入ると、このような動きと逆行するように
フェルメールの贋作が現れてきました。


中でも最大のスキャンダルといわれるのが
ハン・ファン・メーヘレンによる一連の贋作事件です。

この事件は1945年ナチス・ドイツの空軍総司令官
ヘルマン・ゲーリングの妻の居城からフェルメールの贋作
「キリストと悔恨の女」が押収されたことに端を発します。


売却経路の追及によって、メーヘレンが逮捕されました。
オランダの至宝を敵国に売り渡した売国奴としてです。
ところが、メーヘレンはこの作品は自らが描いた贋作であると告白したのです。

さらに多数のフェルメールの贋作を世に送り出しており、
その中には「エマオのキリスト」も
含まれているというのです。
エオマのキリスト



「エマオのキリスト」は1938年にロッテルダムのボイマンス美術館が購入したもので、
購入額の54万ギルダーはオランダ絵画としては過去最高額でした。


当初メーヘレンの告白が受け入れられなかったため、
彼は法廷で衆人環視の中、贋作を作ってみせたといわれています。
それだけ、フェルメールの画風と生き写しだったのでしょう。


「エマオのキリスト」は、現在でもボイマンス美術館の一画に展示されています。
が、それはモノクロコピーで展示室ではなく、通路に展示されているだけです。

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